6月23日に「地域医療講演会&命をつなぐ復興支援コンサート」が銀河ホールで開催されました。
第一部では、講師に県立中部病院 北村道彦医院長による、“これからの医療を考える―中部病院の4年間の振返りと新しいチーム医療の展開―”を演題に講演をして頂きました。
講演では、中部病院の開業後4年間の取り組みや、今の臨床研修制度、医師をトップとする施し型の医療から、ますます高齢化が進むなかでの価値観の多様化を踏まえ、医師、看護婦、家族など、患者にかかわる方々が患者の思いを中心にみんなで連帯していく形に変化を遂げてきていることなど、現在の医療を取り巻く環境について話していただきました。
また、旧沢内村の深沢村長が取り組んできた医療施策について、現在ではどの町にもありますが、昭和30年代に、地域単位での医療体制の充実について取り組む、地域保健制度調査会を国に先がけて設立したことや、健康づくりを進める上で、医療組織に歯科衛生士を配置するなど、先見性を持った素晴らしい取り組みであったとの評価をいただきました。
講演に来られた方々も、北村院長の話して下さる事をメモ書きしながら聞いていました。
高齢化が進む中、医療界もどんどん進化しています。
それと同時に私たちも変えていかなければいけない部分が沢山あるんだなと学びました。
自分の命について深く考えさせられる日になりました。
第二部では、千の音色でつなぐ絆-被災松のヴァイオリンによるコンサート- が開催されました。
東日本大震災の被災松から生まれたヴァイオリンコンサートを「命をつなぐ木魂(こだま)の会」(又川俊三会長)プロジェクトにより世界各地で開催されています。
この楽器の演奏を通して被災された方を励まし、亡くなられた方に鎮魂の祈りを捧げ、この震災でおきたことを風化させずに世代を超えて語りつないでいくことを目的としています。
ヴァイオリンを作ったのは世界的に著名なヴァイオリン制作者“中沢宗幸さん”。
中沢さんは東日本大震災の時に津波で流された陸前高田の松の木、そして何万本も流された中に奇跡的に一本だけ残った木を見た時、「これでなにか作りたい、ただの瓦礫にしたくない」という思いから、このヴァイオリンを作ることにしたそうです。
そして、一本だけ流されなかった木の枝は、今回のヴァイオリンを作るにあったて一番大事な部分“魂柱”と呼ばれる所に使っています。
“魂柱”とは弦から駒、駒から表板に伝わる振動すなわち音エネルギーを裏板へ効果的に伝えるもっとも重要な役割をします。
そして完成されたヴァイオリンの後ろには被災で生き残った一本の松の木が描かれて
おり、今現在世界に3本しか作られていないと言います。
今回はヴァイオリン演奏者 田口博子さん・ピアノ演奏者 雫石環さんによって「愛のあいさつ」「浜辺の歌」「黒い瞳」「ハンガリー舞曲第5番」他、たくさん演奏されました。
そのヴァイオリンから聞こえてくる音は、透き通った綺麗な音でした。
(川村)